INTERNATIONAL SCHOOL GUIDE · JAPAN
英語で学ぶ、だけでは決めない。子どもの毎日から、学校を考える。
朝、子どもが二つの言葉を行き来しながら、今日の発表を家族に説明する。インターナショナルスクールを選ぶことは、授業の言語を変えることだけではありません。友達との会話、家庭で支える宿題、日本語の読み書き、通学時間、その先の進学まで。子どもの一日と家族の暮らしを、まとめて考える選択です。

同じ「インターナショナル」でも、教室の一日は違います。
学校名や合格実績を見る前に、学び方の違いを知っておくと、見学で確かめるべきことが具体的になります。どの方式にも長所があり、同時に、家庭との相性があります。
一つの問いを教科横断で調べ、話し合い、発表します。自分の考えを言葉にする機会が多い一方、正解が一つに定まった課題を好む子どもには、慣れる時間が必要です。
選択科目や活動の幅を持たせ、学年が上がるとAPなどで専門性を深める学校があります。転校や大学進学を見据え、単位・卒業要件を早めに確認します。
段階ごとの到達目標が明確で、IGCSEやA-levelへ進む学校があります。途中で別制度へ移る可能性がある家庭は、年齢と学年の対応を確かめます。
英語と日本語を学習言語として扱ったり、異年齢で学んだりします。言語の使用割合は学校・教科・学年で異なるため、時間割を見て判断します。
寮生活や信仰を教育の中心に置く学校もあります。授業だけでなく生活習慣や共同体の価値観まで含めて、家族が納得できるかを見ます。
違う言葉の先で、子どもは「考え直す力」を身につけていく。
インターナショナルスクールの良さは、英語を使う時間の長さだけでは測れません。自分とは異なる経験をもつ友達に出会い、伝わらなければ言い換え、別の意見を聞いて考えを組み直す。その繰り返しが、学び方そのものを育てます。
言葉を「使って考える」時間が増える
調べたことを説明し、質問を受け、伝わらない部分を言い換える。語彙や文法に加えて、相手に合わせて伝え方を選ぶ経験が積み重なります。英語が流暢でなくても、図や実物、身振りを使って参加できる教室なら、表現の入口は一つではありません。
違いが、特別な授業ではなく日常になる
家庭で話す言葉、食事、祝日、ものの見方が異なる友達と同じ課題に取り組みます。大切なのは、違いを知識として覚えることより、「なぜそう考えたの」と尋ねられる関係です。自分の常識も数ある見方の一つだと気づく機会が増えます。
問い、調べ、つくり、伝える流れを経験できる
探究型の授業では、教師の説明を聞くだけで終わらず、子どもが問いを立て、資料や観察から確かめ、途中の考えを発表します。最初の予想が外れても、失敗ではなく次の調べ方を選ぶ材料になります。学んだ内容と、学び方の両方を振り返れる点が長所です。
助けを求め、自分の状態を説明する力が育つ
分からない言葉がある、作業の手順をもう一度聞きたい、少し休んでから参加したい。多様な背景をもつ子どもが学ぶ場では、同じ指示だけで全員を動かすより、それぞれの必要を伝え合うことが欠かせません。自立とは、一人で抱えることではなく、必要な助けを選べることでもあります。
教科を越えて、知識がつながりやすい
水、都市、移動、エネルギーなど一つのテーマを、科学・社会・言語・表現から考える学校があります。教科で得た知識を別の場面で使うため、「何を覚えたか」だけでなく「どこで使えるか」が見えやすくなります。
将来の選択肢を、早い段階から具体的に考えられる
海外大学だけが出口ではありません。日本の学校への転入、国内大学、海外進学のどれを選ぶ場合も、必要な言語、資格、履修科目を早めに確認する習慣がつきます。複数の進路を知ることは、進路を急いで決めることではなく、選び直せる余地を残すことです。
長所は、学校名だけでは生まれません。
安心して発言できる教室、理解できないときの言語支援、家庭の言葉を保つ仕組み、子どもの疲れを見逃さない大人がそろって、初めて長所が日々の学びになります。見学では、活発に話す子どもだけでなく、考え込んでいる子どもに教師がどう関わるかも見てください。帰宅後の疲労が強く続く、日本語の読み書きを家庭だけで支えきれない、学費や通学が家族の時間を圧迫する場合は、優れた学校でも、その家庭には合わないことがあります。
見学では、子どもが安心して過ごせるか、家族が無理なく通わせ続けられるかを見る。
学校の魅力だけでなく、通い始めた後の一日を思い浮かべます。子どもが授業中に質問できるか、帰宅後も元気が残るか。通学や宿題が、睡眠や家族の時間を圧迫しないか。見学は、学校と家庭の暮らしが合うかを確かめる時間です。
英語力より、安心して質問できるか
授業が分からないときに、子どもが「もう一度説明して」と言えるかを見ます。教師が図や実物、短い言葉を使って理解を助けているかも大切です。見学後は、楽しかったことだけでなく、困った場面や帰宅後の疲れ方も聞いてください。
日本語の読み書きを、どこで続けるか
学校の日本語科で何を学べるのか、家庭では読書や漢字にどれほど時間が必要かを確かめます。将来、日本の学校への転入や国内大学への進学を考えるなら、学年ごとの授業時間と到達目標まで確認します。
一年間に必要な費用と、家族の時間を出す
授業料に加えて、出願料、入学金、施設費、スクールバス、給食、端末、制服、旅行、寄付、寮費を一覧にします。送迎、行事、家庭学習に必要な保護者の時間も含め、毎週無理なく続けられるかを考えます。
全国15校。教育の違いが見えるように紹介します。
知名度順ではありません。JCISの加盟・認定基準、IB公式情報、各校の一次情報を基に、地域・年齢・カリキュラム・通学/寮の違いが伝わる学校を選びました。掲載内容は2026年8月22日確認。募集状況と費用は出願前に必ず公式サイトで再確認してください。
01北海道・東北2校
Hokkaido International School
北海道で長く国際教育を担う学校。幼児期から高校までが一つのコミュニティで学びます。少人数の環境と地域性を生かし、学年を越えたつながりが見えやすい点が特色です。
家庭が確認したいこと:広域からの通学手段、学年ごとの在籍人数、高校卒業後の進路支援。
公式サイトを見るTohoku International School
東北の国際家庭を支えるPreK–Grade 12の学校。小規模校ならではの距離の近さが魅力ですが、希望する科目や活動が学年ごとに開講されるかは確認が必要です。
家庭が確認したいこと:英語支援、選択科目、スクールバスと放課後活動の帰宅時刻。
公式サイトを見る02関東・甲信6校
The American School in Japan
幼児部から高校までを持つ大規模校。アメリカ型のカリキュラムを基盤に、高校ではAPや幅広い活動へつながります。選択肢の多さを生かすには、子どもが相談相手を見つけられるかも大切です。
家庭が確認したいこと:入学資格、通学バス、学年規模、英語支援と高校の卒業要件。
公式サイトを見るAoba-Japan International School
IBの探究を軸に、異なる言語・文化の背景を持つ子どもが共に学びます。プロジェクトや発表が多い環境が合うか、教室での質問の仕方まで見学で確かめたい学校です。
家庭が確認したいこと:キャンパス、学年別の日本語、英語追加支援、課題量。
公式サイトを見るNew International School of Japan
英語と日本語を用いる二言語教育と、年齢をまたぐマルチエイジの学級編成が核です。二つの言語を同じ割合で使うとは限らないため、教科別の言語と家庭で補う学習を確認します。
家庭が確認したいこと:希望言語の到達像、高学年の履修、バス、家庭での読書言語。
公式サイトを見るNishimachi International School
英語を主な学習言語としながら、日本語と日本文化を教育の重要な一部として扱います。高校部はないため、その先を日本の学校・海外校のどちらに置くかを早めに考えます。
家庭が確認したいこと:Grade 9後の進路、日本語科のレベル分け、都心通学。
公式サイトを見るYokohama International School
幼児期から高校までIBの学びをつなぐ学校。英語を中心に、問いを立て、作品や発表へまとめる経験を重ねます。入学対象や英語環境は公式の方針を先に確認します。
家庭が確認したいこと:出願資格、言語支援、日本語、通学時間、IB Diplomaの科目。
公式サイトを見るUWC ISAK Japan
世界各地の高校生が共同生活を送り、Grade 10の準備課程からIB Diplomaへ進みます。家庭を離れて暮らす力まで含めた教育であり、一般的な通学制インターナショナルスクールとは選び方が異なります。
家庭が確認したいこと:寮生活、奨学金、英語での学習準備、健康・生活支援、長期休暇。
公式サイトを見る03中部1校
Nagoya International School
幼児期から高校までの探究型学習を、一貫したコミュニティで支えます。出願時には記録、推薦、面談に加え、学年によって英語等の評価が行われる場合があります。
家庭が確認したいこと:空席、英語力と支援体制、追加支援費、通学、学年配置。
公式サイトを見る04関西3校
Kyoto International School
小規模なコミュニティで、一人ひとりの学習を見取りやすい学校です。少人数は安心につながる一方、学年規模や活動の選択肢は年度によって変わり得ます。
家庭が確認したいこと:在籍人数、英語支援、卒業後の進路、放課後活動。
公式サイトを見るOsaka International School
関西学院千里国際キャンパスで、PYP・MYP・DPへ学びをつなぎます。中等部以降は隣接校との協働もあるため、実際の時間割と使用言語を見て理解します。
家庭が確認したいこと:面談・評価、推薦書、学年ごとの言語、通学、連携授業。
公式サイトを見るCanadian Academy
六甲アイランドにあるIB World School。通学に加えて寮という選択肢があり、家庭の居住地や高校期の自立を含めて検討できます。寮は学費とは別に生活設計が必要です。
家庭が確認したいこと:寮の対象学年と費用、週末の生活、IB科目、通学経路。
公式サイトを見る05中国1校
Hiroshima International School
PYP・MYP・DPを通して、幼児期から高校まで探究をつなぐ学校です。地域の歴史や平和を考える学びも学校文化の一部。小規模校の近さと科目選択の両方を確かめます。
家庭が確認したいこと:IB科目、英語支援、日本語、送迎・バス、学年規模。
公式サイトを見る06九州・沖縄2校
Fukuoka International School
3歳から高校までを持ち、三つのIBプログラムで学びをつなぎます。学年によって英語力の確認やMAP評価、幼児の観察が行われ、入学可否とは別に適切な配置を検討します。
家庭が確認したいこと:募集枠と優先制度、英語支援、費用改定、通学、学年配置。
公式サイトを見るOkinawa Christian School International
英語によるアメリカ型教育とキリスト教信仰を教育全体に組み込みます。信仰は行事だけでなく授業や共同体の価値観にも関わるため、家庭が理念に納得できることが大切です。
家庭が確認したいこと:聖書教育、礼拝、英語支援、大学進学、通学と費用。
公式サイトを見る出願の前に、家族で二週間だけ観察する。
学校に子どもを合わせる前に、今の子どもがどんな場面で考え、話し、疲れるのかを見ます。短い記録が、説明会で聞くべき質問を変えます。
日本語と英語のどちらで、複雑な気持ちや「なぜ」を説明しやすいか。話せる単語数ではなく、考えをほどける言語を見ます。
答えが決まった課題と、自分で問いを作る課題のどちらで動き出しやすいか。途中で困ったとき、誰にどう助けを求めるかも記録します。
往復の通学時間を仮に過ごし、帰宅後の食事・入浴・宿題・睡眠が収まるかを試します。きょうだいと保護者の生活も同時に組みます。
三年後に日本の学校へ移る可能性、海外転居、国内外大学への希望を書き出します。まだ決められなくても、残したい選択肢は分かります。