次の予定を、何度も確かめる。

KONOMANA · OBSERVATION ROOM 06

次の予定を、
何度も確かめる。

「このあと、どこへ行くの?」。答えたあとにも、子どもが同じことを尋ねます。これから起こることを組み立て直しているのかもしれません。聞き取れなかった、覚え直したい、予定の一部がまだ分からないという場合もあります。

木造の公共空間で、次の行き先を確かめながら明るい表情で見上げる子供

LOOK CLOSER · この場面から学ぶ

まず、ここを見てみる

  • 同じ言葉の質問でも、知りたいのは行き先か、始まる時刻か、誰と過ごすか。予定が変わった場面とのつながりも見ます。
  • 答えを見られる場所と方法が本人に合っているか。情報が多すぎないか、まだ決まっていないことを決まったように伝えていないかも点検します。

目に見えたこと、本人が伝えたこと、大人が考えたことを分けて読みます。家庭では、一つの場面から始められます。

01

予定を知ることは、動き出す準備です。

見

出かける前の玄関で、電車を待つホームで、園や学校から帰ったあと。子どもは、次にすることを何度も確かめることがあります。

大人には同じ質問に聞こえても、子どもの中では確かめている部分が少しずつ違う場合があります。

いつ始まるのか。誰と行くのか。どのくらい続くのか。終わったら何をするのか。どの部分を知りたいのかを確かめると、渡す情報を絞りやすくなります。

02

同じ質問の、どこを確かめる?

順番、時刻、行き先のどれを尋ねているか
予定が変わったあとに質問が増えたか
大人の説明を聞ける場所だったか
紙や写真を本人が使いやすそうか
今はまだ決まっていない情報があるか

「もう分かったでしょう」と回数を責める前に、「次は図書館だね。行き先と帰る時刻、どちらを知りたい?」と必要な情報を一緒に探します。本人が示した疑問に、短く答えることから始めます。

03

家庭で一度だけ試すなら、三つだけ見せる。

一日の予定をすべて説明する代わりに、今から近い三つだけを、短い言葉や簡単な絵で示します。

  1. 靴を履く
  2. 電車に乗る
  3. 図書館へ行く

尋ねられたら、長く説明を重ねず、同じ紙を一緒に指します。予定が変わったときは、消して隠すのではなく、「ここが変わった」と一か所だけ伝えます。

04

答える回数より、確かめ方を増やす。

同じ質問が続くと、大人にも疲れが出ます。毎回詳しく答えられない日は、「今はここまで分かっているよ」「次に分かったら、この紙へ書こう」と区切ってもかまいません。

時計、写真、短いメモ、出発前の合図など、子どもが自分で確かめられる方法を一つ選びます。質問を止めさせるためではなく、大人の答えだけに頼らず、見通しを持てるようにするためです。

05

見通しは、一緒につくるもの。

同じ質問が続くとき、回数を減らすことより、情報の渡し方を見直します。

言い換える前

「さっき説明したでしょう」

共有する言葉

「次は三時。時計と予定表、どちらで確かめる?」

安心して動くための見通しを、本人だけの課題にしないことが大切です。時間、順序、変更点を見える形にするのは甘やかしではなく、参加できる環境を整えることです。ただし、細かい予定をたくさん見せるとかえって負担になることもあります。本人が使いやすい情報の量と、言葉・絵・写真などの方法に調整します。

TRY & NOTICE · 家庭で確かめる

近い予定を、本人が選ぶ形で残す

準備
紙とペン、または普段使っている写真。新しい道具をそろえる必要はありません。
  1. 「次に知っておきたいことは何?」と尋ねます。答えにくければ「行き先? 帰る時間?」と二つに絞り、今から近い予定を一〜三つだけ示します。
  2. 短い言葉、絵、写真のうち本人が見やすい形にし、確定した予定だけを書きます。未定なら「まだ分からない。図書館を出る前に確認する」のように、次に確かめる場面を添えます。
  3. また尋ねられたら同じ紙を一緒に見ます。予定が変わった場合は、変わった一か所と新しい内容を伝え、紙を使い続けるかも本人に確かめます。

記録すること

何を尋ねたか、どんな答えを渡したか、本人が紙を見たか・別の方法を希望したか。質問の回数だけでよしあしを決めません。

予定表は質問を禁止するための道具ではありません。作ることや見ることが負担なら項目を減らすか別の方法へ。日々の予定を詳しく管理し続ける負担も、家族が続けられる範囲に収めます。

THINK & RETURN · 学びを確かめる

この場面なら、どう考える?

予定を三つ書いて見せても、同じ質問が続きます。もっと詳しい予定表を作るべきでしょうか?

考えてから、解説を読む

詳しくする前に、何を確かめたいのかを見ます。「どこへ行くか」は分かっていても、「何時に帰るか」が未定なのかもしれません。紙が読みにくい、説明が聞き取れないなど、渡し方が合っていない場合もあります。

知りたい一項目に答え、未定なら未定と伝えます。本人が使える形を探すのが目的で、質問がゼロになることを成功の基準にしません。

TAKE IT WITH YOU · 読んだあとに

このコラムから、持ち帰ること

  • 同じ質問でも、必要な情報や、その日の状況は同じとは限りません。質問の奥にある動機を決める前に、何を知りたいのか確かめます。
  • 見通しを持つ手助けは、予定を増やして示すことだけではありません。近い予定、変更点、未定のことを、本人と家族が扱える量で共有します。

説明を確かめたい方へ

観察と関わり方の説明を確かめる資料です。本文の家庭の場面は、考え方を試すための例です。