自然光の入る部屋で、木の実や石、色紙を順番に並べて確かめる子供

並べることには、理由がある。

KONOMANA · OBSERVATION ROOM 01

並べることには、
理由がある。

靴、積み木、食卓の小さなもの。子どもが並べているとき、何をそろえ、どこを変えているのでしょう。「同じ」と「違う」、「次」と「その次」を、手元の動きから一緒に確かめます。

自然光の入る部屋で、木の実や石、色紙を順番に並べて確かめる子供

LOOK CLOSER · この場面から学ぶ

まず、ここを見てみる

  • どの物を同じ列やまとまりに置いたか。色・形・大きさなど、大人が予想した基準と実際の並びを分けて見る。
  • 途中でどれを移したか、そのとき本人が何と言ったか。言葉がなければ、理由は空欄のままでよい。

目に見えたこと、本人が伝えたこと、大人が考えたことを分けて読みます。家庭では、一つの場面から始められます。

01

そろっているものを、言葉にする。

赤い積み木が一列になったら、「色で分けた」と考えたくなります。けれど、長さを見ていたり、電車のつもりで置いていたりするかもしれません。まずは「赤が三つ、この列にあるね」と、目に見えることを言葉にします。

子どもが「こっちは車庫」と話したら、その言葉を手がかりにします。説明がなければ、理由はまだ分かりません。色や形で分ける遊びへ、すぐに変えなくてもよいのです。

02

置き直した一つを、手がかりにする。

真ん中にあった丸い積み木を、子どもが端へ移しました。注目するのは、きれいになったかどうかより、どれを、どこへ動かしたかです。「ここを変えたんだね」と返すと、本人が違いを話したり、もう一度置き直したりすることがあります。

前と後の並びを比べると、大人にも変化が見えます。ただし、一度の置き直しで、得意なことや性格までは決められません。昨日とは違う遊び方になることもあります。

03

並べる時間と、暮らしの順番。

玄関の靴を並べる遊びが、出かける直前に始まる日もあります。そんなときは「この二足をよけたら通れるね。続きは帰ってから」と、必要なことを短く伝えます。並びを全部守り続ける必要はありません。

遊べる場所と片付ける時刻を先に決めておくと、大人も付き合える範囲が分かります。関心を聞くことと、家族の動線や予定を守ることを、同じ場面で考えます。

04

整える前に、一度だけ尋ねる。

これは、誰にとっての「正しい順番」だろう。

大人が教えたい順番と、子どもがつくっている並びは、同じとは限りません。直す前に、何を基準に置いているのかを見てみます。色、形、大きさ、手触り。並び方と本人の言葉を手がかりにすると、大人も見落としていた違いに気づけます。

教育は、正解を渡すことだけではありません。目の前の子どもが、どんな手がかりで世界を整理しているのかを知ることから始まります。

TRY & NOTICE · 家庭で確かめる

六つの積み木、二つの並び。

準備
普段使っている大きめの積み木を六つほど。並べられる机や床の一角。
  1. 子どもが並べ始めたら、一度は手を加えずに見る。始めたがらなければ、その日は試さない。
  2. 「この二つは隣に置いたんだね」と、見えたことを一つだけ返す。聞けそうなら「どんな並びにした?」と尋ねる。
  3. 子どもが自分で置き直したら、前と後の違いを一緒に見る。大人の正解に合わせ直さず、決めた時刻で片付ける。

記録すること

「長い積み木を三つ、一列に置いた」「丸い一つを右端へ移した」のように、物と位置を一行で残す。本人の言葉は別の一行に書く。

並びだけでは、その理由や能力は決められません。移さなかった場合も記録でき、一度で違う並べ方をさせる必要はありません。

THINK & RETURN · 学びを確かめる

この場面なら、どう考える?

赤い積み木が一列に並びました。「色で分けている」と言い切れるでしょうか?

考えてから、解説を読む

今見えたのは、赤い積み木が一列に置かれたことです。長さや置いた順番がそろっている可能性も、何かに見立てている可能性もあります。

並べる途中の動きや本人の言葉を、もう一つの手がかりにします。理由が分からないままでも、見た並びを具体的に記録できます。

TAKE IT WITH YOU · 読んだあとに

このコラムから、持ち帰ること

  • 並びを直す前に、同じところと変わったところを具体的に見る。大人の予想と、子どもが話した理由を分ける。
  • 遊びの関心を聞きながら、使える場所と片付ける時刻も伝える。家庭で続けられる範囲で確かめる。

説明を確かめたい方へ

観察と関わり方の説明を確かめる資料です。本文の家庭の場面は、考え方を試すための例です。